使用した教科書,問題集の紹介(一般化学,専門化学)
こんにちは!高専生ちゃかのぶです!
2021年が始まり,編入試験を受験される方々は少しずつ緊張が高まってきているかと思います.
2021年最初の記事は化学の勉強に使用した教科書,問題集の紹介です!
タイトルは一般化学,専門化学の問題集の紹介となっていますが
化学が専門でない方にもおすすめの問題集も紹介しているので是非ご覧ください!
前回はこちら↓
一般化学
一般化学といっても幅広いですが,ここでの一般化学とは高校生向けの教科書に書いてある内容を指しています.
年度によりますが,問題Ⅱ(無機化学)や問題Ⅲ(有機化学)は高校生向けの参考書,問題集で対応できます.
高等学校 化学基礎,化学 (山内薫 ほか著,第一学習社)
学校で購入した教科書です.低学年の頃に化学の授業を受講したことがある場合はその時に使った教科書を使うと良いです.
一般化学に関しては,高校生向けの教科書が一番良い参考書だと思います.
無機化学や有機化学は覚える量が多いので非化学系の学科の方には鬼門なのかなと思います...
ただ,重箱の隅をつくような問題は出ないので,無機化学や有機化学では絶対に外せない問題(例えばアンモニアの製造法や元素分析など)を中心に問題演習すると良いです.
リードα 化学基礎+化学(数研出版)
こちらも学校で購入した問題集です.
この問題集の良いところは,各章の始めに穴埋め式のまとめコーナーがあることです.
僕は赤ペンで書いて赤シートで隠して勉強していました.
基礎問題から少し難しい問題まで幅広いです.基礎から問題演習をして内容を覚えたいという方におすすめです.
化学重要問題集 化学基礎・化学(数研出版)
この問題集を中心に一般化学を固めました.
僕は2018年発行のものを買いました.他の年に発行されたものは見ていないので内容がど程度変更されているのか分かりませんが,一番新しいものを買うのが無難だと思います.
大学入試の過去問で構成されています.基礎問題から難しい問題(旧帝大で出題された問題など)まで幅広いです.
僕がこの問題集で気に入っているのは,各大問を解くのに必要な知識の分野が載っているところです.自分の苦手な分野を強化したいときに非常に便利です.
15章の有機化学では,有機化合物の異性体,構造決定に関する問題が豊富に掲載されているので試験直前まで重宝しました.
教科書の内容が頭に入っていて,リードαでも物足りなくなった,という方におすすめです.化学系の方ならこの問題集から初めても良いのではないでしょうか.
専門化学
ここからは,東北大学工学部の化学バイオ工学科を受験する方向けの内容です.
僕は大問4種類のうち,問題Ⅰ(無機・物理化学)と問題Ⅱ(有機化学)を選択しました.
問題Ⅲ(生物化学)と問題Ⅳ(化学工学)は選択しませんでした.なので生物化学と化学工学の問題集は紹介できません...ごめんなさい
アトキンス物理化学要論 第6版(P.W.Atkins・J.de.Paula 著,千原秀明・稲葉章 訳,東京化学同人)
学校で購入した物理化学の教科書です.
この本はアトキンス物理化学の上下巻を短くまとめた本です.化学熱力学は良いのですが,量子化学は分かりにくかったです.
ところどころアトキンス物理化学を見よという指示があるので,図書館でアトキンス物理化学を見つつ勉強しました.
練習問題や章末問題は解答が誤植だらけで使いにくいです(笑).さらに解答は導出が無いので問題集としては使わない方が良いです.
マッカーリ・サイモン物理化学 分子論的アプローチ(D.A.McQuarrie・J.D.Simon 著,千原秀明・江口太郎・斎藤一弥 訳,東京化学同人)
この本は特に量子化学の勉強をするときに,アトキンス物理化学と合わせて使いました.かなり値段が高いので図書館で閲覧しました.
量子化学に関する記述が詳しいので,僕のバイブルの一つです!
演習で学ぶ化学熱力学 基本の理解から大学院入試まで(中田宗隆 著,裳華房)
こちらは化学が専門の方,専門ではない方両方におすすめの一冊です!
簡単な練習問題を通して,化学熱力学の基本を叩き込むことができます.
僕はこの本と過去問で化学熱力学を攻略しました!
なぜ非化学系の方にもおすすめかというと,化学熱力学には欠かせない公式の導出が全て掲載されているからです.
令和2年はクラウジウス・クラペイロンの式の導出,関連問題が出題されていました.
クラウジウス・クラペイロンの式自体を知らなくても解けるのですが,やはり内容を知っているのと知らないのとでは解きやすさが違います.
この式は蒸気圧曲線を理論的に説明できる式なので,知っていて損はないです.
今後も化学熱力学に出てくる式に関する問題が出てくるかもしれないので,ぜひ一度手に取ってみて欲しいです.
物理化学演習 第2版(萩野一善・妹尾学 著,東京化学同人)
この本は買って失敗でした(笑).本棚の番人になってしまいました.
問題数は多いのですが,例題がなんだか面白くないんですよね...(笑)
章末問題は解答に導出が無く,大部分の問題は解答が省かれています.
これよりも,先述した”演習で学ぶ化学熱力学 基本の理解から大学院院入試まで”の方が絶対に良いです.
有機化学演習 基本から大学院入試まで(山本学・伊与田正彦・豊田真司 著,東京化学同人)
学校で購入しました. 専門有機化学はこの一冊で決まりです.
まず,問題量が圧倒的に多いです.解答も詳しいです.章末問題の解答は全体の約三分の一を占めています.
過去問で分からない問題があったとき,この問題集を見返すとたいてい似た反応が書いてあり重宝しました.
デメリットは...お値段でしょうか(笑).3800円+税です...
でも,これ一冊で済むと考えると,高くはないのかもしれませんね.
ただ,鏡像異性体の混合物の旋光度を求める問題がほとんど無かったので,ここはインターネットを駆使して補強しました.
反応は電子対の動きを表す矢印(カーブドアロウと教わった)を嫌になるくらい書いて覚えましょう!そのうちどんな反応が起こりそうか検討がつくようになります.
演習無機化学 第2版
無機化学の勉強法に悩んでいたところ,図書館でこの本を発見しました.
無機化学は範囲がはっきりしない上に,問題数が確保できず困っていました.
この本は図が多めで見やすく,問題数も豊富です.
いろいろな本を見ても中途半端になるだけなので,最終的にこれを購入しました.
横浜国立大学理工学部の編入学試験も受験したのですが,専門無機化学は知識問題が多かったので,知識を増やすのにも役立ちました.
実際,横国受験当日の専門無機化学にこの本で勉強した問題が出題されてラッキーでした.
僕のお気に入りは3章の元素の性質と化合物です.ジボランの構造,七酸化二マンガン,フェロセンなど,面白い化合物を知ることができました.
また,1章と2章は例題,練習問題を全てやりました.割と聞かれそうな重要問題がまとめられているので良かったです.
まとめ
今回は化学の勉強に使った教科書,問題集の紹介をしました.特におすすめの問題集は
の3冊です.”演習で学ぶ化学熱力学 基本の理解から大学院入試まで” は非化学系の方にもおすすめできる良書です!
次回はTOEICの勉強に使った単語帳,問題集を紹介しようと思っています.また,過去問の解答の公開方法についても検討しています.
最後まで見てくださってありがとうございました!
使用した参考書,問題集の紹介(物理)
こんにちは!高専生ちゃかのぶです!
twitterを開設したので,最近はtwitterからのアクセスが多くなってきました.本当にありがとうございます!!
前回の記事はこちら↓
今回は物理の勉強に使用した参考書,問題集を紹介したいと思います.
これから紹介する問題集は過去問を本格的に解き始める前の実力磨きのために使用しました.実力とは,
- 問題を見て大まかな解法が浮かぶ力
- 適切に力のベクトルを書き込む力
- 方程式をスムーズに立てる力
- 方程式を解く力(テクニック)
のことです.特に最初の二つは非常に重要です.
大まかな解法が浮かぶ問題をより多く持っていれば,実際の試験で似たような問題が出た場合に有利になります.
特に電磁気の分野ではこれが顕著で,ガウスの法則,ビオ・サバ―ルの法則,アンペールの法則を使った問題は解法がすぐに思い浮かぶようになるまで練習した方が良いと思います.
これらの法則を使った問題はどれも似たり寄ったりだからです.
適切に力のベクトルを書き込む力も重要です.これができないと運動方程式を立てることができません.
物理
基礎物理学演習Ⅰ(永井一清 編,サイエンス社)
定番です.
先輩方の編入体験記にもこの本がよく取り上げられています.
ですが,力学は編入試験に出題されなさそうなものが掲載されていたりするので,主に熱力学や波動の勉強に使いました.
熱力学は,熱力学第一法則,熱力学第二法則の辺りを何回か勉強しました.
波動は,ホイヘンスの原理,フェルマーの原理から反射の法則,屈折の法則を導出する問題を勉強しました.
基礎物理学演習Ⅱ(永田一清 編,サイエンス社)
電磁気学や現代物理学について掲載されています.
基礎物理学演習Ⅰ,Ⅱは学校の授業で購入したのですが,基礎物理学演習Ⅱはほとんど使いませんでした.
というのも,後述する電磁気学演習[新訂版]の方がコンパクトにまとめられているからです.
基礎 物理学演習(後藤憲一・小早川恵三・國友正和 共編,共立出版)
僕は青い本って呼んでます(笑).
黄色い基礎物理学演習に比べると,編入試験に出題されそうな問題が厳選されています.
黄色い本がどうしても嫌だったので,この青い本を購入しました.
僕は黄色い基礎物理学演習よりも青い基礎物理学演習の方がおすすめです.
演習力学[新訂版](今井功・高見穎郎・高木隆司・吉澤徴・下村裕 共著,サイエンス社
力学の勉強にお世話になった一冊です.この一冊を終える頃にはかなりの力がついたと思います.
正直,かなり難しかったのですが続けることができました.
それは何故かというと,例題の解説が非常に詳しいからです.
例題の所々にある "ヒント" や "注意" は実際に問題に解くときに役立つ内容なので,問題を解くのが面白かったです.途中の "コラム" も興味深い内容でした.
また,本の厚みが薄いので持ち運びやすいのも良かったです(笑).
難しいですが,力学では非常におすすめの一冊です!!
電磁気学演習[新訂版](山村泰道・北川盈雄 共著,サイエンス社)
電磁気学はこれで決まりです.
この一冊で東北大の電磁気学は解けると思います.
ガウスの法則,ビオ・サバ―ルの法則,アンペールの法則,ファラデーの法則など,法則を応用した問題が網羅されています.
電磁気学で使う考え方を一通り学ぶことができ,電磁気攻略に最も役立つ本です.
ただ,交流や電磁波の分野は飛ばしました.内容は面白いと思うので,時間のあるときにやってみようかなと思っています.
電磁気学の勉強に困っているなら,この本を絶対におすすめします!!
物理のエッセンス(浜島清利 著,河合出版)
高校生向けの有名な物理の参考書です.
物理の基本的な考え方が網羅されているので,基礎の基礎から勉強したい方におすすめです.
僕は大学物理に入る前に,この本で基礎固めをしました.後述する良問の風や名問の森と一緒に持っておくと,基礎的な考え方を忘れたときに役立ちます.
良問の風(浜島清利 著,河合出版)
物理のエッセンスで勉強した上で,腕試しとして購入しました.
センター試験から,大学入試の二次試験に出題された問題まで,幅広く掲載されています.
高校生向けの問題集をやっていて思うのは,全体的に問題の設定が複雑だということです.
逆に言えば,思考力を鍛えるのにはもってこいです.短い時間で,正確に解答する力を養いたい方におすすめです.
名問の森(浜島清利 著,河合出版)
こちらも有名な問題集です.
難易度は良問の風よりもさらに上でボリュームが大きいので,他の問題集をやっても時間が余った方におすすめです.
問題の解説がしっかりしているので,分からない問題に直面しても納得できるのが良い点だと思います.
良問の風と同じく,さらに思考力をUPできると思います!
また,熱や波動の分野は高校生向けの問題集で色々な問題に触れた方が良いです.この二分野は高校で習うような知識で大体対応できます.
かなり難しかったので,解答を見ずに完答できたときは凄まじい爽快感で気持ち良かったです(笑)
まとめ
今回は物理の参考書,問題集を紹介しました.おすすめの問題集は
- 演習力学[新訂版]
- 電磁気学演習[新訂版]
の二冊です.熱,波動は物理のエッセンス,良問の風,名問の森などの参考書,問題集で色々な問題に触れると良いです.
問題集をやって慣れてきたら,過去問を解いてみましょう.過去問で解けなかった問題の分野を挙げて,その分野について参考書や問題集で復習すると良いと思います.基本はこの繰り返しです.
新しい知識や解法は,後から分かるようにノートにまとめるのも良いと思います!
最後まで見ていただきありがとうございました!
使用した参考書,問題集の紹介(数学)
こんにちは~ 高専生ちゃかのぶです!
今回は僕が使用した参考書や問題集を紹介したと思います!
前回はこちら↓
数学
編入数学徹底研究: 頻出問題と過去問題の演習 (大学編入試験対策)(桜井基晴 著,聖文出版)
言わずと知れた,編入を目指す人なら必携の一冊です.この本は編入数学に必要な基本的な知識が見やすく,そして分かりやすくまとめられています.
また,演習問題については解答の導出過程が非常に詳しく解説されているため編入数学の入門に最適です.
学校で習った微分法,積分法,線形代数,応用数学の復習にも良いと思います.
この本は3週して,入試直前にもお世話になりました.買って良かった問題集No.1.
実はこの本の元々の出版社は聖文新社だったのですが,2020年7月末で廃業してしまいました...(´;ω;`)
しかし朗報です!!なんと金子書房が出版社として編入数学徹底研究の販売が再開しました.
本当にありがたいですね!!
編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習 (大学編入試験対策)(桜井基晴 著,聖文出版)
こちらも有名な編入数学の問題集です.いろいろな大学の編入試験に出題された数学の問題が詰め込まれています.
この本には東北大学工学部の編入学試験に出題された問題もあります.
また,旧帝大,筑波大学,京都工芸繊維大学の過去問題も豊富に掲載されているので腕試しにおすすめです.
上述したとおり,この本に掲載されている問題は,編入試験において難易度の高い大学の過去問題ということもあって,この本の難易度はかなり高いと思います.
僕は1周だけして,例題と基本問題,標準問題の分からなかった部分を復習しました.
発展問題はほとんどわかりませんでした(笑).特に大阪大学の問題は手も足も出ませんでした.
編入数学過去問特訓も出版社は聖文新社でしたが,こちらも金子書房が出版社として販売が再開しました.
大学編入のための数学問題集(碓氷久 ほか著,大日本図書)
僕の通っている高専では数学の教科書に,大日本図書の新数学シリーズを使っているので,この問題集を一番最初に購入しました.
教科書との対応が書いているので良いのですが,習わなかった解法が使われていたりしたので苦戦しました.
習わなかった解法といっても,編入数学徹底研究を最初にやれば問題ありませんでした.編入数学徹底研究,強いです...!
「実力確認ミニテスト」という簡単な問題が各章の単元ごとに載っているのですが,勉強前のウォーミングアップとしてよく使いました.
難易度は編入数学徹底研究と編入数学過去問特訓の間ぐらいでした.
大学編入試験問題 数学/徹底演習(第3版) (林義実・小谷泰介 共著,森北出版)
とにかく数をこなしたかったので購入してみた一冊です.
問題量はかなり多い印象を受けたので数をこなしたい方におすすめです.
大学・高専生のための解法演習 微分積分〈1〉 (極めるシリーズ) (糸岐宣昭・三ツ広孝 共著,森北出版)
東北大学の数学の過去問を見たところ,少し複雑な関数の概形を描かせる問題が多かったので,この本を購入しました.
複雑な関数,指数関数,対数関数,無理関数,そして極座標で表された関数の概形を描く問題が豊富なので東北大数学の対策にピッタリです.
章末の総合演習はあまり難しくない問題が豊富なので数をこなすのにも最適でした.
買って良かった問題集の一つです!
漸化式の解法パターン暗記(受験の月)
東北大の数学はときどき漸化式が出題されていたので,漸化式の問題演習をどうするか悩んでいたところ,このサイトを見つけました.受験の月です.
漸化式の解法は学校では習わなかったので,このサイトを発見できて幸運でした!
高校数学Bの内容らしいのですが,漸化式の解法17パターンがまとめられており,問題の解説が詳しいので本当に良かったです.
ある年の東北大の数学に三項間漸化式が出題されていたのですが,解法を知らなかった頃はこんなの分かるわけないだろと匙を投げていました(笑)
ノートに自分でまとめなおして,後から見直せるようにしておきました.
まとめ
数学の勉強に使った参考書,問題集について書いてみました.僕はいろいろな問題集に手を出しましたが,やはり編入数学徹底研究が一番最初に取り組む問題集として最適だと思います!徹底研究を一通りこなしたら,自分の足りないところを他の問題集で補っていくようにすると良いのかなと思います.
記事に載せた問題集は,値段は大体3000円程です.問題集は新品を買って書き込みたかったので全て購入しましたが,金銭的に厳しい人も当然いると思います.その場合は,高専の図書館で探してみて閲覧,借りるとお金がかかりませんよ!
最後まで見てくれてありがとうございました!
作戦の立て方&勉強スケジュール
2020/12/10更新
2020/12/16更新
高専生ちゃかのぶです!
今回は受験の作戦の立て方,受験勉強スケジュールについて掲載します!!
前回はこちら↓
- 志望校の決め方
- 滑り止めの決め方
- 東北大学工学部の試験について
- (2年次春休み~3年次夏休み): TOEIC
- (3年次後期~3年次春休み): 数学&物理
- (4年次前期~4年次夏休み): 数学&物理&専門
- (4年次10月~4年次11月)
- (4年次12月~4年次2月)
- (4年次3月)
- (5年次4月~5年次5月)
- (5年次6月~5年次7月)
- (東北大直前期)
- まとめ
志望校の決め方
一般の高校生が受験する大学受験とは異なり,高専生はほとんど大学3年次に入学することになります.
入学後すぐに研究が始まるので,ある程度行きたい研究室を決めておきましょう.
次にやることは試験内容の確認,過去問の取り寄せです.たぶん過去問はほとんど解けないと思います(笑).僕も最初はちんぷんかんぷんでした.
めちゃくちゃ勉強してでもその大学に入りたい!という思いがあるなら,その大学を受験すべきです.
モチベーションを高めるのに有効な方法はオープンキャンパスです.実際にその大学に行ってみましょう.
僕は東北大のオープンキャンパスには行けなかったので代わりにインターンシップということで研究室に行きました.
滑り止めの決め方
編入学試験において滑り止めをどこにするか,すごく悩むと思います.僕は滑り止めを決める上で次の条件をみたす大学を選びました.
- 試験内容が第一志望校と似ていること
- もし滑り止めの学校に行くことになっても後悔しなさそうなところ
- おもしろそうな研究室があるところ
試験内容が第一志望と大きく異なると,試験対策も大きくと変わるのでおすすめできません.
また、滑り止めに進学する可能性も高いということを念頭に置きましょう.僕は横浜国立大学化学・生命系学科化学EPを滑り止めにしました.
滑り止めの学校でも決して手を抜いてはいけません.滑り止めだから大丈夫だろう,という気持ちでいくと落ちます...
東北大学工学部の試験について
東北大学に限りませんが,まずは相手を知ることからです.東北大学工学部の編入学試験は
の5項目からなります.注意すべきところは,共通科目筆記試験,TOEICは全学科,専門関連科目は筆答,口答,調査書のいずれか,というところです.専門関連科目が口答の学科は面接も同時に行います.(東北大学工学部編入試験WEBサイトはこちら)
2020年度は新型コロナウイルスの影響で現地での試験が叶いませんでした...帰りに牛タン食べて笹かま買って行こうと思っていたのですが(笑)
代わりにPCを用いたオンライン試験になりました.試験内容は同じです.
(2年次春休み~3年次夏休み): TOEIC
まずはTOEICの点数を上げることから始めました.初めて受けた時の点数は400点でした...
東北大学工学部編入学試験について,僕が一番最初に手に入れた情報が“TOEIC740点取っていれば安全説”でした.情報というよりも噂に近いですが.
とにかくTOEIC700点台であれば低すぎることは無いと思います.僕もこの点数を目指し,最終的に745点で提出しました.
一方でTOEIC500点台でも合格した先輩もいらっしゃるので,TOEICはある程度点数をとったらストップしましょう.
今思えば早めにTOEICやっておいて本当によかったと思います.新型コロナウイルスの影響でTOEICが中止になり点数が足りず志望先を変更した人がかなりいました...
2020年12月現在,TOEICは抽選方式での申込になっており来年度編入試験を受験する方は本当に苦労されていると思います...
このまま抽選が続くとTOEICスコアが無いために東北大学を受験できない,という最悪の事態が起きかねません.運で受験資格が得られるのはさすがに不公平ですよね...東北大学が何らかの対策をしてくれることを祈ります.
(3年次後期~3年次春休み): 数学&物理
TOEICが終わったら早速数学と物理に手をつけましたが,3年の後期はレポートが山のようにあったので編入試験の勉強はほとんどやりませんでした.数学,物理は3年次の春休みから本格的に始めました.
数学は「大学編入のための数学問題集(大日本図書)」を買ったのですが,難しくて途中で挫折(笑).「編入数学徹底研究(聖文新社)」から始めれば良かったと思います.数学に関してはまったく進まず...
僕は物理(特に力学)が苦手だったので,まずは高校物理を完璧にしようと考えました.そこで,「物理のエッセンス(河合出版)」シリーズなど,高校生向けの参考書,問題集を使うことにしました.
使用した参考書,問題集については別の記事にまとめようと考えています!
(4年次前期~4年次夏休み): 数学&物理&専門
3年次の春休みが終わった後,編入数学徹底研究を購入しました.4年次前期から4年次夏休みまでは編入数学徹底研究をやりこみました.
4年生になると微分や積分を使った大学物理の授業があったので,まずは大学物理に慣れるようにしました.
徐々に慣れてきたところで,「基礎物理学演習Ⅰ(サイエンス社)」と「 基礎物理学演習(共立出版)」に手をつけました.
専門化学についての勉強は4年次の夏休み頃から始めました.
物理化学は量子化学のあたりが弱かったので,「アトキンス物理化学要論(東京化学同人)」で強化しました.
有機化学はすぐに問題集「有機化学演習 基本から大学院入試まで(東京化学同人)」に取り組みました.
(4年次10月~4年次11月)
このあたりから勉強を本格的に詰め始めたので,月別に書きます.
4年次の10月,11月は主に数学,物理を強化しました.問題集を解法がすぐに思いつくまでやりました.この頃は数学と物理の過去問を見ても,まだまだ手が動かなかったので少し焦りを感じていました.
あと,このくらいからクラスの編入仲間で図書館で勉強するようになってきました.半年後ぐらいから編入試験が本格的にスタートするのに,勉強する雰囲気が全くなかったので,雰囲気作りも大事だなと思いました.
(4年次12月~4年次2月)
東北大の物理を解くには元々持っていた「基礎物理学演習Ⅰ(サイエンス社)」だけでは足りないと気づいたので,東北大に編入された先輩がおすすめしていた「電磁気学演習[新訂版]」と「演習力学[新訂版]」を購入しました.
電磁気学演習[新訂版]は本当にやって良かったです.東北大の電磁気はこれに載ってる問題に慣れてきたら,なんとなく解法が浮かんで手が動くようになりました.
演習力学[新訂版]は僕には難しかったです(笑).分からなくてイライラしたときもありましたが,剛体の分野のところは良かったです.最初のころは剛体のあたりに苦手意識がありましたが,回転の運動方程式の立て方に慣れたのは演習力学のおかげです.
数学はいろいろな問題集をやって,とにかく数をこなしました.編入試験対策の問題集は,大体どれも似た構成になっているので買わなくても良かった問題集もありました...
編入試験勉強をする中で学校では習わなかったテクニックや考え方,解法にたくさん出会ったので,すべてノートにまとめて後から見れるようにしていました.
(4年次3月)
この頃から新型コロナウイルスの影響が顕著に感じられるようになりました.
一番の痛手は図書館の勉強スペースが使えなくなってしまったことです.春休みは勉強仲間と集まる予定だったのですが,叶いませんでした.この3か月は完全に自宅で一人で勉強していました...辛かったです.
TOEICの中止が決まり,進学から就職に変更した人,進学先を変更した人などが出始めました.編入試験の実施方法の変更(面接の中止など),試験日の延期も相次ぎました.
手を動かさないとニュースばかり見てしまって不安になるので,ずっと手を動かしていました.
主に電磁気学演習[新訂版],演習力学[新訂版]の二週目,熱力学分野の強化,過去問題の解答作成をやりました.
過去問は実際の試験の制限時間内に解くことを意識しました.例えば東北大の数学の制限時間は90分なので,各大問あたり30分以内に解きました.解けきれないときは次の大問にいくようにしました.
(5年次4月~5年次5月)
新学期が始まるかと思いきや4月は丸々休校になりました.5月は遠隔授業が始まりましたが,登校はできませんでした.当初3月が最後の勉強時だと考えて計画を立てていたので,勉強計画の練り直しをしました.
物理は大学物理の問題に飽きてきたので,高校生向けの問題集である「名門の森(河合出版)」の2冊を購入しました.かなり頭を使う問題がゴロゴロあったので相当鍛えられました.一般の大学入試は覚えることが多くて,かなり頭を使う問題ばかりだと思うので高校生は本当にすごいと思います...!
数学は「大学・高専生のための解法演習 微分積分<1>(森北出版)」を購入しました.この問題集は図形問題,特に媒介変数表示された図形に関する問題(微分を使って概形を書くなど)がたくさん載っているので,東北大の数学対策にいいと思いました.
数学も問題集に飽きたので,だんだん過去問中心になりました.過去問をやっていて気付いたのはケアレスミスが多いことでした.ケアレスミスはそう簡単に減らせませんでした...僕はこれにだいぶ悩みました.無意識だから気づけないんです...
ケアレスミスで一番多かったのは,符号や数値の代入ミス,転記ミスです.特にミスしやすいところは本当に慎重に検算しました.
専門の化学は,無機化学,化学熱力学を中心にやりました.無機化学は「演習無機化学 基本から大学院入試まで 第2版(東京化学同人)」を何周かやりました.この本の例題や章末問題の内容を頭に入れておけば専門化学の無機分野はおおむね問題ないと思います.東北大の専門化学の無機化学は物理化学との融合問題が多いので物理化学(特に化学熱力学)とセットで勉強するのがおすすめです.
化学熱力学は,「演習で学ぶ化学熱力学 基本の理解から大学院入試まで(裳華房)」を何周かやりました.この問題集は化学が専門でない方にもおすすめです.東北大の共通科目の化学は近年大学化学の内容が出題されることがありました.しかし,この問題集は化学熱力学の重要な式については網羅しているので東北大の共通科目の化学にも対処できます!
(5年次6月~5年次7月)
横浜国立大学の試験日が近づいていたので数学,物理はもちろん,一般化学の復習をやりました.一般化学は「化学重要問題集-化学基礎・化学(数研出版)」を使いました.横浜国立大学の分析化学については全く傾向が掴めなかったので,学校でもらったプリントを中心に復習しました.
(東北大直前期)
直前は全ての分野を一周するようにスケジュールを組み,限界まで勉強しました.心配なところはつまみ食いしながら復習しました.過去問を使ってなるべく試験に近いシミュレーションを行ったりしました.具体的には,要項に書かれている試験の実施時間どおりに,試験開始時間,休憩時間などを再現しました.
試験前日は,もうやり残したことはないと思って寝ました.
まとめ
東北大学に合格できたのは,早めに準備を始めたことが鍵になったと思いました.今年度は新型コロナウイルスの影響で,例年とは大きく異なる編入試験となり大変でした.
また,自分に足りない部分の強化を行い,問題演習を繰り返すというサイクルを回すことが非常に重要だと感じました.僕の勉強スケジュールがこれから大学編入を目指す高専生の力になれたら幸いです.
更新が少し滞ってしまいましたが,何とか書ききることができました.最近twitterのアカウントを作成したので,質問等ありましたらtwitterのアカウントにご連絡ください.
最後まで読んでいただき,ありがとうございます!!
高専志望理由&学校生活
こんにちは!高専生ちゃかのぶです
ブログ開設してから間もないのですが,早くも初めて書いたブログ↓へのアクセスがあり嬉しく思います
早速僕の受験勉強スケジュールについて掲載しようと思ったのですが,その前に僕のことについてですね.
高専に来た理由&学校生活
僕が高専に行くことを決めたのは...進学校に通って大学に進学するよりも高専から大学に編入した方が学費が安く済むというメリットからでした(高専のパンフレットにそう書いてありました).中学生のときから大学に行こうと考えていました.
入学後,仲の良い友達を作ることができましたが,部活については大失敗(笑),1か月も立たずに退部しました...
入りたい部活も見つからなかったので,ずっと帰宅部です.でもそのおかげで放課後勉強に力を注ぐことができたのは良かったと思います.部活と勉学を両立している方は本当に尊敬します...!
幸いにも,化学,数学が得意だったので低学年の頃はクラス内で1位や2位でした.ただ,物理だけは慣れず苦労しました.東北大学工学部の編入学試験は,共通科目(数学,物理,化学)+専門科目(学科によって筆答,口答のどちらか)で構成されていますが,やはり最も苦労したのは物理です.
全然参考にならないと思いますが高専入学の理由,学校生活についてはこんな感じです(笑).
いよいよ次回から受験勉強スケジュールを書きたいと思います!
はじめまして 編入体験記始めます
はじめまして! 高専生ちゃかのぶです
このたび東北大学工学部化学・バイオ工学科編入試験に合格しました!
受験生活を送る中で,使う問題集,勉強方法など自分から積極的に情報を求めることが大切であることを痛感しました.
編入試験は情報が圧倒的に少ないです.特に化学系の学科に編入された方々の編入体験記は数が少ないために非常に貴重です.
そこで編入学試験に臨む全国の高専生に向けて情報を発信して,少しでも力になろうと考えこのブログを立ち上げました.
僕は化学系の学科に在籍しているので,化学系高専生の方に向けた情報も発信したいと考えています.
また,ブログの運営に慣れてきたら過去問の解答についても掲載する予定です!(過去問題については著作権が怪しいので掲載する予定はありません,ごめんなさい...)