東北大学編入 tyakanobuの編入体験記

東北大学工学部編入学試験体験記

作戦の立て方&勉強スケジュール

                                  2020/12/10更新

                                  2020/12/16更新

高専生ちゃかのぶです!

今回は受験の作戦の立て方,受験勉強スケジュールについて掲載します!!

 

前回はこちら↓

tyakanobu.hatenablog.com

 

志望校の決め方

一般の高校生が受験する大学受験とは異なり,高専生はほとんど大学3年次に入学することになります.

 

入学後すぐに研究が始まるので,ある程度行きたい研究室を決めておきましょう.

 

次にやることは試験内容の確認,過去問の取り寄せです.たぶん過去問はほとんど解けないと思います(笑).僕も最初はちんぷんかんぷんでした.

 

めちゃくちゃ勉強してでもその大学に入りたい!という思いがあるなら,その大学を受験すべきです.

 

モチベーションを高めるのに有効な方法はオープンキャンパスです.実際にその大学に行ってみましょう.

 

僕は東北大のオープンキャンパスには行けなかったので代わりにインターンシップということで研究室に行きました.

 

滑り止めの決め方

編入学試験において滑り止めをどこにするか,すごく悩むと思います.僕は滑り止めを決める上で次の条件をみたす大学を選びました.

 

  • 試験内容が第一志望校と似ていること
  • もし滑り止めの学校に行くことになっても後悔しなさそうなところ
  • おもしろそうな研究室があるところ

 

試験内容が第一志望と大きく異なると,試験対策も大きくと変わるのでおすすめできません.

 

また、滑り止めに進学する可能性も高いということを念頭に置きましょう.僕は横浜国立大学化学・生命系学科化学EPを滑り止めにしました.

 

滑り止めの学校でも決して手を抜いてはいけません.滑り止めだから大丈夫だろう,という気持ちでいくと落ちます...

 

東北大学工学部の試験について

東北大学に限りませんが,まずは相手を知ることからです.東北大学工学部の編入学試験は

 

  • 共通科目筆記試験(数学・物理・化学,それぞれ大問3つ)
  • 専門関連科目試験
  • TOEIC (またはTOEFL
  • 面接
  • 調査書

 

の5項目からなります.注意すべきところは,共通科目筆記試験,TOEICは全学科専門関連科目は筆答,口答,調査書のいずれか,というところです.専門関連科目が口答の学科は面接も同時に行います.(東北大学工学部編入試験WEBサイトはこちら

 

 2020年度は新型コロナウイルスの影響で現地での試験が叶いませんでした...帰りに牛タン食べて笹かま買って行こうと思っていたのですが(笑)

代わりにPCを用いたオンライン試験になりました.試験内容は同じです.

 

(2年次春休み~3年次夏休み):  TOEIC

まずはTOEICの点数を上げることから始めました.初めて受けた時の点数は400点でした...

 

東北大学工学部編入学試験について,僕が一番最初に手に入れた情報が“TOEIC740点取っていれば安全説”でした.情報というよりも噂に近いですが.

 

とにかくTOEIC700点台であれば低すぎることは無いと思います.僕もこの点数を目指し,最終的に745点で提出しました.

 

一方でTOEIC500点台でも合格した先輩もいらっしゃるので,TOEICはある程度点数をとったらストップしましょう.

 

今思えば早めにTOEICやっておいて本当によかったと思います.新型コロナウイルスの影響でTOEICが中止になり点数が足りず志望先を変更した人がかなりいました...

 

2020年12月現在,TOEICは抽選方式での申込になっており来年度編入試験を受験する方は本当に苦労されていると思います...

 

このまま抽選が続くとTOEICスコアが無いために東北大学を受験できない,という最悪の事態が起きかねません.運で受験資格が得られるのはさすがに不公平ですよね...東北大学が何らかの対策をしてくれることを祈ります.

 

(3年次後期~3年次春休み):  数学&物理

TOEICが終わったら早速数学と物理に手をつけましたが,3年の後期はレポートが山のようにあったので編入試験の勉強はほとんどやりませんでした.数学,物理は3年次の春休みから本格的に始めました

 

数学は「大学編入のための数学問題集(大日本図書)」を買ったのですが,難しくて途中で挫折(笑).「編入数学徹底研究(聖文新社)」から始めれば良かったと思います.数学に関してはまったく進まず...

僕は物理(特に力学)が苦手だったので,まずは高校物理を完璧にしようと考えました.そこで,「物理のエッセンス(河合出版)」シリーズなど,高校生向けの参考書,問題集を使うことにしました.

 

使用した参考書,問題集については別の記事にまとめようと考えています!

(4年次前期~4年次夏休み):  数学&物理&専門

3年次の春休みが終わった後,編入数学徹底研究を購入しました.4年次前期から4年次夏休みまでは編入数学徹底研究をやりこみました.

 

4年生になると微分積分を使った大学物理の授業があったので,まずは大学物理に慣れるようにしました.

 

徐々に慣れてきたところで,「基礎物理学演習Ⅰ(サイエンス社」と「 基礎物理学演習(共立出版」に手をつけました.

 

専門化学についての勉強は4年次の夏休み頃から始めました.

 

物理化学は量子化学のあたりが弱かったので,「アトキンス物理化学要論(東京化学同人」で強化しました.

 

有機化学はすぐに問題集「有機化学演習 基本から大学院入試まで(東京化学同人」に取り組みました.

 

(4年次10月~4年次11月)

このあたりから勉強を本格的に詰め始めたので,月別に書きます.

 

4年次の10月,11月は主に数学,物理を強化しました.問題集を解法がすぐに思いつくまでやりました.この頃は数学と物理の過去問を見ても,まだまだ手が動かなかったので少し焦りを感じていました.

 

あと,このくらいからクラスの編入仲間で図書館で勉強するようになってきました.半年後ぐらいから編入試験が本格的にスタートするのに,勉強する雰囲気が全くなかったので,雰囲気作りも大事だなと思いました.

 

(4年次12月~4年次2月)

東北大の物理を解くには元々持っていた「基礎物理学演習Ⅰ(サイエンス社」だけでは足りないと気づいたので,東北大に編入された先輩がおすすめしていた「電磁気学演習[新訂版]」と「演習力学[新訂版]」を購入しました.

 

電磁気学演習[新訂版]は本当にやって良かったです.東北大の電磁気はこれに載ってる問題に慣れてきたら,なんとなく解法が浮かんで手が動くようになりました.

 

演習力学[新訂版]は僕には難しかったです(笑).分からなくてイライラしたときもありましたが,剛体の分野のところは良かったです.最初のころは剛体のあたりに苦手意識がありましたが,回転の運動方程式の立て方に慣れたのは演習力学のおかげです.

 

数学はいろいろな問題集をやって,とにかく数をこなしました.編入試験対策の問題集は,大体どれも似た構成になっているので買わなくても良かった問題集もありました...

 

編入試験勉強をする中で学校では習わなかったテクニックや考え方,解法にたくさん出会ったのですべてノートにまとめて後から見れるようにしていました

 

(4年次3月)

この頃から新型コロナウイルスの影響が顕著に感じられるようになりました.

 

一番の痛手は図書館の勉強スペースが使えなくなってしまったことです.春休みは勉強仲間と集まる予定だったのですが,叶いませんでした.この3か月は完全に自宅で一人で勉強していました...辛かったです.

 

TOEICの中止が決まり,進学から就職に変更した人,進学先を変更した人などが出始めました.編入試験の実施方法の変更(面接の中止など),試験日の延期も相次ぎました.

 

手を動かさないとニュースばかり見てしまって不安になるので,ずっと手を動かしていました.

 

主に電磁気学演習[新訂版],演習力学[新訂版]の二週目,熱力学分野の強化,過去問題の解答作成をやりました.

 

過去問は実際の試験の制限時間内に解くことを意識しました.例えば東北大の数学の制限時間は90分なので,各大問あたり30分以内に解きました.解けきれないときは次の大問にいくようにしました.

 

(5年次4月~5年次5月)

新学期が始まるかと思いきや4月は丸々休校になりました.5月は遠隔授業が始まりましたが,登校はできませんでした.当初3月が最後の勉強時だと考えて計画を立てていたので,勉強計画の練り直しをしました.

 

物理は大学物理の問題に飽きてきたので,高校生向けの問題集である「名門の森(河合出版)」の2冊を購入しました.かなり頭を使う問題がゴロゴロあったので相当鍛えられました.一般の大学入試は覚えることが多くて,かなり頭を使う問題ばかりだと思うので高校生は本当にすごいと思います...!

 

数学は「大学・高専生のための解法演習 微分積分<1>(森北出版)」を購入しました.この問題集は図形問題,特に媒介変数表示された図形に関する問題(微分を使って概形を書くなど)がたくさん載っているので,東北大の数学対策にいいと思いました.

 

数学も問題集に飽きたので,だんだん過去問中心になりました.過去問をやっていて気付いたのはケアレスミスが多いことでした.ケアレスミスはそう簡単に減らせませんでした...僕はこれにだいぶ悩みました.無意識だから気づけないんです...

 

ケアレスミスで一番多かったのは,符号や数値の代入ミス,転記ミスです.特にミスしやすいところは本当に慎重に検算しました.

 

 

専門の化学は,無機化学,化学熱力学を中心にやりました.無機化学は「演習無機化学 基本から大学院入試まで 第2版(東京化学同人」を何周かやりました.この本の例題や章末問題の内容を頭に入れておけば専門化学の無機分野はおおむね問題ないと思います.東北大の専門化学の無機化学は物理化学との融合問題が多いので物理化学(特に化学熱力学)とセットで勉強するのがおすすめです.

 

化学熱力学は,「演習で学ぶ化学熱力学 基本の理解から大学院入試まで(裳華房」を何周かやりました.この問題集は化学が専門でない方にもおすすめです.東北大の共通科目の化学は近年大学化学の内容が出題されることがありました.しかし,この問題集は化学熱力学の重要な式については網羅しているので東北大の共通科目の化学にも対処できます!

(5年次6月~5年次7月)

横浜国立大学の試験日が近づいていたので数学,物理はもちろん,一般化学の復習をやりました.一般化学は「化学重要問題集-化学基礎・化学(数研出版」を使いました.横浜国立大学の分析化学については全く傾向が掴めなかったので,学校でもらったプリントを中心に復習しました.

 

(東北大直前期)

直前は全ての分野を一周するようにスケジュールを組み,限界まで勉強しました.心配なところはつまみ食いしながら復習しました.過去問を使ってなるべく試験に近いシミュレーションを行ったりしました.具体的には,要項に書かれている試験の実施時間どおりに,試験開始時間,休憩時間などを再現しました.

 

試験前日は,もうやり残したことはないと思って寝ました.

 

まとめ

東北大学に合格できたのは,早めに準備を始めたことが鍵になったと思いました.今年度は新型コロナウイルスの影響で,例年とは大きく異なる編入試験となり大変でした.

 

また,自分に足りない部分の強化を行い,問題演習を繰り返すというサイクルを回すことが非常に重要だと感じました.僕の勉強スケジュールがこれから大学編入を目指す高専生の力になれたら幸いです.

 

更新が少し滞ってしまいましたが,何とか書ききることができました.最近twitterのアカウントを作成したので,質問等ありましたらtwitterのアカウントにご連絡ください

最後まで読んでいただき,ありがとうございます!!